十分に雪山登山の経験を積んだ方なら単独登山をしたり、気の知れた仲間たちと山に行くことばかりだと思います。
しかし、ツアーで知り合った雪山を始めたばかりの人同士で行く場合や誰か雪山初心者を連れていく場合などには気をつけなければいけない、雪山ならではの注意しなければいけないポイントが存在します。
本日は「初心者を率いるリーダーが注意する3つのポイント」と題してお届けしたいと思います。
初心者と一緒に登る雪山
雪山を始めた当初は誰しもが初心者です。もちろん、いつでも初心者を自称する人もいらっしゃいます。
そんな初心者の方をあなたが連れていく場合どんなことに注意しなければいけないのでしょうか。
一緒に考えてみましょう。
初心者を連れていく際に確認すること
夏山での経験と体力
夏山シーズンにどんな山に登っているのか、コースタイムと合わせて確認する必要が有ります。
他にもどれくらいの頻度で行っているか、登山時の装備や失敗談なども合わせて聞いてみましょう。
日頃運動しているかを確認してみるのも大切なポイントです。
雪山の装備
とても重要ですね。
どんな装備を揃えて、どんな登山服を持っているのか細かく確認しましょう。
もし不安なことがあれば、「初心者の為の雪山登山入門」をチェックするようにアドバイスしてあげてください!
自分のスキル
一番大切なことが自分のスキルの確認です。
初心者を連れて行って、しっかりとガイドできるか。安全を確保できるか。予備の装備をザックに持っていくことができるかなど確認しましょう。
もし連れて行けない場合、自信がない場合などは安全策だと思って断りを入れることも重要です。
初心者を連れて登る際に配慮すること
経験者であるあなたはいくつかの点において配慮、または注意しなくてはなりません。
ここからが「初心者を率いるリーダーが注意する3つのポイント」です。
1、レイヤリング
個々の感じ方や装備が異なる場合レイヤリングの指示が非常に難しいものがあります。
同行者も気を使って次の休憩まで我慢するなどはよくある話といえます。
リーダーとしての指示はシンプルで
「肌寒いくらいの衣服調整をお願いします。」
「防風対策をお願いします。」
「防寒対策をお願いします。」
といった具合に、出発前や休憩の折、また休憩に入る5分前などに指示を出してみると良いと思います。
ベンチレーションの調節くらいであれば少し立ち止まってすぐ出来ますが、服を脱いだらザック内に入れなくてはいれない必要性も出てきますし、服を出したり入れたりする時間を考えると的確な指示のもとレイヤリング調整をすると良いかと思います。
2、水分・エネルギー補給
水分補給は意識をしないと控える傾向にあります。
冬季は山小屋が閉鎖していることもあり、トイレの場所などは苦慮するものです。そういったこともあり、トイレに行かなくて済むよう水分補給を躊躇う声もあります。
それでも水分補給やエネルギー補給は体温を上げ、低体温症や筋肉疲労などを抑える働きとなりますので、積極的に摂るようにグループ内に指示することが大切な役割となります。
3、トレース
意識しないと難しいのがラッセルになります。
グループメンバーの歩幅に合わせてラッセルしてあげるようにしましょう。グループ内に女性がいる場合はより注意が必要です。
何十人もの登山者が通ったラッセル跡は雪が踏み固められ明確なトレースができています。そういった場合には特に意識することでもありません。
※通常の登山でも注意しなければいけないポイントはたくさんあります。
まとめ
初心者を率いるリーダーが注意する3つのポイントについてまとめさせていただきました。
これらはリーダーだけでなく、同行者としても認識しておくことが大切です。
同行者がリーダーを育てるということもありますし、お尻をいくサブリーダーがコントロールする可能性もあります。
もちろんメンバー全員で初心者をバックアップしてあげれると良いですよね。
最初、雪山登山を始める時は多くの心配事があり多くのハードルがあります。
そういった心理的なハードルを一つずつ取り除いてあげるだけで安心して雪山に行きやすくなりますよね。