ソーシャルディスタンスから得るもの|コロナを機会に学ぶ

おはようございます。
登山ガイドのHajimeです。

もうすぐ緊急事態宣言が終わるのかな?という兆しが見えてきましたが、どうなるのでしょうか。
なかなか終わりが見えない自粛ムードの中、これからの登山に繋げていただければと考え、ソーシャルディスタンスから得るものは何かあるかな?と考えまして少し書かせていただきたいと思います。

ソーシャルディスタンスについて考える

そもそもソーシャルディスタンスってなんだよ!という方もいらっしゃるかと思いますが、私たちは登山中におけるソーシャルディスタンスを意識したことはあるのでしょうか。

ソーシャルディスタンスとは、直訳すると社会距離となります。
ここでは人と人との距離を表します。新型コロナウイルスの感染拡大を防止する取り組みとしてソーシャルディスタンスを守ろうという取り組みがあり、人と人との距離を2メートルとることが推奨されています。
おおよそ2メートルとは互いに手を伸ばして届く距離です。

答えがないソーシャルディスタンス

風の影響など環境要因に大きく左右される部分もあり、明確な答えがないのが正直なところでしょう。
空気力学の専門家らが「Towards aerodynamically equivalent COVID19 1.5 m social distancing for walking and running 」と題して研究論文を発表しているので見てみるのも良いでしょう。

オランダのアイントホーフェン工科大学とベルギーのルーヴァン・カトリック大学の研究者による発表

上記、研究結果の論文はPreprint(プレプリント)とあるように査読(研究者や専門家による評価、検証のこと)を待たずに発表された経緯であること。そしてウイルス感染学の専門家ではなく、空気力学の専門家によって行われた研究であることをご留意ください。

こうした研究論文を参考にしながら、登山におけるソーシャルディスタンスを見ていきたいと思います。

今までの登山とソーシャルディスタンス

今までの登山を振り返ってみると自分の歩きたいように歩いて、休憩したい時に休憩するという方も多かったのではないでしょうか。
見通しの悪い岩場、鎖場、登山道においても、前方から来る登山者を意識しているにもかかわらず、見て見ぬふりをしている方もいらっしゃったかと思います。

登山道ですれ違う時など狭い登山道であれば致し方ないにしても、広い登山道においても距離が近い方はいらっしゃいました。
ザック同士の接触によって滑落が起きた事例、ザック同士の接触によって起きた事故もあります。

これが今までの登山中における距離感、ソーシャルディスタンスだと思います。

ソーシャルディスタンスから学ぶ

登山ではどうしたら良いのか

譲り合いに気を遣う

登山においてソーシャルディスタンスが実践されると、もともと狭い登山道がより窮屈に感じるかもしれません。だからといってソーシャルディスタンスを守る名目で登山道を外れて歩くことが良しとはされないでしょう。

無理に歩いて接触しては事故を誘発するだけ。
それがトレイルランニングだとしても同じです。

そうなると私たち登山者やトレイルランナーは譲り合いを積極的に行わなければいけません。
これまで他の登山者に対して無関心だった方も、ソーシャルディスタンスを実践し、登山道では譲り合いや間隔の調整などが行われることでしょう。

カメラ撮影、植物鑑賞には注意が必要です。
ソーシャルディスタンスを意識すると休憩は広い場所で取ることが求められます。他にもカメラ撮影時や植物鑑賞時には前から、そして後ろからやってくる登山者を気にしなければなりません。

休憩場所に注意

誰しもが平らなところで、見晴らしの良いところで休憩を取りたくなります。
しかし、登山者はみな同じような考えをお持ちであるからして、そういう場所は非常に混み合います。

外で風通しが良いので新型コロナウイルスに感染する影響は避けられるかもしれません。
ですが、対面でご飯を食べたり、風下の人に咳が飛んだりすることによる感染の可能性もあることから出来る限り離れて休憩を取ることが理想的です。

歩く技術を考える

山岳事故では人的要因として本人による転倒・道間違い・滑落がありますが、他者による接触・落石・雪崩などの要因も存在しています。他者とソーシャルディスタンスを徹底することで接触を直接避けることもできれば、落石や雪崩などのリスクも見えてくるようになるのではないでしょうか。

他の登山者を意識することはとても大切ですが、自身の安全確保もお忘れのないようにお願いいたします。

丁寧に歩く

焦ることなく丁寧に足を運ぶことはとっても難しいものですが、落石を自ら起こさないように地面を蹴って登らないなど丁寧に歩くことをこの機会に意識してみましょう。

周りを見る

登山中に周りを見て歩いてみませんか?
自然を見ることも大切ですが、前後の登山者や集団を見て、自身の歩くペースを意識することでソーシャルディスタンスを保つことができます。

ソーシャルディスタンスをキッカケに

今回、譲り合いや歩く技術について少し触れさせていただきました。
読む分にはそんなに難しいことではなくても、実際に山を歩いて見るとかなり難しいと感じることになるかもしれません。

今回ご紹介したことは新型コロナウイルス収束後の登山においても使えるものです。

ソーシャルディスタンスを楽しもう

(話が大きくなりますが)登山の文化は今難しい局面を迎えています。
そんな中、皆さんが登山を続けていくには自分のことだけでなく、全登山者のことを考えて行動する必要性がありそうです。
そこにソーシャルディスタンスを欠かすことはできません。

耳慣れない「ソーシャルディスタンス」という言葉にこの数ヶ月で慣れてきたことかと思います。
ソーシャルディスタンスという言葉がこれだけ使われるのも今年限りにしたいものですが、残念なことにあと数年は続きそうです。
この数年間、ソーシャルディスタンスという言葉を楽しみながら実践出来れば乗り越えられそうですよね!

ソーシャルディスタンスを楽しみながら山を楽しみましょう!

この記事を書いた人

Hajime

Hajime

お客様や周りにいる登山者からスパルタ…と言われる昭和な登山ガイドであり、花の名前を忘れることが多く花心のない男。